株式会社 IPG

ipg

IPGのサービス、Gガイド、Gガイドモバイル、シンジケーティッドGガイド、Gガイド for Wii、G-Guide for windows

Gプレスインタビュー

2010.January | vol.79

印刷用ファイル
vol79photo

mixiにしかないもの。

株式会社ミクシィ 
取締役 兼 mixi事業本部長

原田 明典さん

1998年 日本電信電話株式会社(NTT)に入社。 企業向けのインターネットシステムコンサルに従事。2002年 NTTグループのコンテンツ戦略策定、事業化業務を経て、ポータルサイト『goo』の企画・開発を担当。2005年 株式会社NTTドコモに転籍し『iモード』のポータル戦略を担当。「検索」や「コミュニティ(SNS)」の導入を推進。2008年1月 株式会社ミクシィ入社。モバイル企画部長に就任。同年11月、mixi事業本部長に就任。 2009年6月 現職に。1975年 兵庫県生まれ。(2010年1月6日現在)

Social Mediaという新しいコミュニケーション形態を創り出したmixi。マス・メディアが生み出してきたコミュニケーションはもとより、webサイトやブログ等が生み出すコミュニケーションとも一線を画している。新しい広告手法や新しいコンテンツを創出する多大な可能性を秘めていると期待と注目が集まる一方で、mixiが何を本質とし、どんな可能性を秘めたメディアかを具体的に語れる人は少なく、ある意味いまだ「つかみ所のないメディア」ともいえる。mixiとは、何なのか。その本質と可能性について、株式会社ミクシィ原田明典取締役にお話をうかがってみました。

―原田さんは、「mixiは、Social Mediaであって、ブログや書き込みサイト等のCGM(Consumer Generated Media)とは異質なもの」と断言されていますね。世の中では、ほぼ一緒なメディアと考える人も多いSocial MediaとCGMですが、両者の違いとは?

違いを端的にいうと2つあります。CGMは「みんなが閲覧できる公開された場」であり、Social Mediaは「内輪でしか閲覧できない公開されてない場」であることが1つ。もう1つは、CGMは「知らない人たち同士」の意見の集約の場であるのに対し、Social Mediaは実際の「友人や知り合い」との雑談の場であるということです。一見小さく見えるこの差は、実はかなり大きい。むしろまったく別物と思ってもらった方がいい。そこでやりとりされるコンテンツ(情報や発言)の質がまったく異なってきます。

―「非公開な場」でやりとりされるコンテンツには、どんな価値があるのでしょうか。

コンテンツという言葉の定義によりますが、もし、コンテンツを「ある一般的価値をもった情報」と定義するのであれば、Social Mediaはコンテンツを生み出すメディアではありません。そこにあるのは、単なる「内輪のコミュニケーションの場」、いわばコタツや井戸端と等しいわけです。そこから、一般的な価値を持つコンテンツは生まれません。それを生み出すのは、編集というバイアスがかかった<マス・メディア>の使命です。Social Mediaは、いわばコタツを囲んで話している-そのコタツがたくさん存在する世界です。コタツ一つ一つはミクロな場ですが、トータルで見たときにそれは巨大なコミュニケーション・メディアといえます。夜、渋谷のセンター街を歩くと、大量の人が行き来し話しているのが見えます。しかし、同じ時間に家の中にいて家族同士で話している人たちもたくさんいて、ボリュームとしては後者の方が圧倒的に多い。そこに、バイラルマーケティングといった、他のメディアには生み出せない新しいコミュニケーションの可能性が潜んでいます。

―コンシューマーが発信するコンテンツによって構成されるメディアという意味では、Social MediaとCGMは同質ではないのですか?

いいえ、違います。CGMは、コミュニティが生まれ、その結果「主(ぬし)化が起きる」という宿命をもっています。これは、どんなCGMにも見られる現象です。主化が起きたCGMには、○○的な意見というものが生まれ、そのメディアに「個性」が生まれます。結果、テレビや雑誌や新聞と同じようなメディアになってしまう。つまりCGMは、いわば<ニッチなマス・メディア>なのです。たとえば、テレビとの関係でいいますと、CGMはテレビを面白くするツールにはなりえないと思っています。一般的にいわれている補完関係ではなく、実は競合関係にありますから。そこが、Social Mediaとは本質的に異なる点です。補完関係であり、テレビを熱くするのは、お茶の間のコタツ、すなわちSocial Mediaです。ですから、IPGや放送局とmixiが連携していくことは、マス・メディアを盛り上げていくことにきっと繋がっていくはずです。

―いま、テレビや新聞といったマス・メディアから消費者が離れつつあると言われていますが、どう思われますか?

私は、一過性の現象だと思っています。テレビ番組のクオリティは圧倒的です。いつ見ても、あれほどの笑いや涙や感動を与えてくれるメディアが、他にあるでしょうか?最後は中味のクオリティが問われます。たとえば、今もてはやされているウィキペディアも、そのうち一辞書にすぎなくなるでしょう。だから私は、テレビや新聞の価値が今後低下していくことは、決してないと思っています。問題は、現代社会において、お茶の間のコタツがなくなったことです。

―本日はお忙しいところ、興味深いお話をありがとうございました。

気になるテレビ語 groovy word on TV『スポーツ』


2010年は大規模なスポーツの祭典が開催されます。今回はスポーツにまつわるテレビ語を紹介します。まずは「オリンピック」。アクセス数は11月に3、12月に58ですが、2月12日に開催(現地時間)されれば、アクセス数のジャンプアップが期待できます。もう一つはサッカーの祭典「2010 FIFAワールドカップ」。「サッカー」のアクセス数は平均35,000と常に高く、人気の高さがよく表れています。「2010 FIFAワールドカップ」のアクセス数は「オリンピック」同様まだまだですが、6月の開催時には、どこまで伸びるか楽しみです。12月の検索で特に目立ったのは「高校サッカー」。11月の1,022から12月は3,549と増えています。今年は初出場の山梨学院大付が頂点に立ちました。また、冬のスポーツとして馴染みのある「ラグビー」(2,666→4,390)や「駅伝」(1,330→2,293)のアクセス数もアップしています。ちなみに毎年多くのドラマを生む「箱根駅伝」も162から1,277とアップしており、今年は東洋大が総合優勝を果たしました。


『Gガイドモバイル』ユーザ検索ログデータより 集計期間:2009/11/1-11/30,12-1-12/31

バックナンバー

2011 / 2010 / 2009 / 2008 / 2007 / 2006 / 2005 / 2004 / 2003 / 2002