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2006.April | vol.36

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放送と通信が連携していくと、家電には何が起こるのか―人とコンテンツをつなぐ<エージェント機能>の精度が、メーカーには問われてくる。

ソニー株式会社
テレビ・ビデオ事業本部 記録システム開発部門 AV商品技術開発部 統括部長

宮原 秀彰 さん

2011年、地上波がすべてデジタル放送に切り替わる。コンテンツの数は飛躍的に増え、アナログ放送時代には不可能だった新しい視聴体験が可能になり、その結果コンテンツのあり方さえ変えると言われている地上デジタル放送。この劇的な変化を、ホームエレクトロニクスメーカーは、どう観ているのか。いつの時代も、ユーザー視点でのモノつくりを徹底することで、世界市場を席巻してきたソニーさんに聞いてみました。

―2011年をどのような画期と捉えていますか。

地上波の全てがデジタル放送になると、週4,000程度であるテレビ番組が、週20,000番組にまで増えます。でも、それだけ選べる番組が増えても、それを選んで見る視聴者には、限られた時間しかありません。むしろ、番組が増えるほど、番組表から自分好みの番組を一つ一つ選び出すことは不可能に近くなってきます。そのとき必要なのは、視聴者とコンテンツをつなぐ<エージェント機能>です。私たちは、御社が提供するEPG(電子番組表)に、早く注目し採用させていただきました。なぜ注目したかというと、Gガイドは、視聴者とコンテンツをつなぐ<エージェント機能>のまさに先駆け的なサービスだからです。

―その<エージェント機能>を、ソニーさんは商品においてどう具体化しているのでしょうか。

DVRの普及によって、「ゴールデンタイムの番組はきっと面白いから録画しておきたい」といったニーズだけではなく、「好きなあの俳優が出ている番組を録画しておきたい」といった新しい視聴者ニーズが生まれてきます。そこで、「スゴ録」では、好きな俳優の名前をキーワード登録して録画予約ができる「おまかせ・まる録」機能を、どのメーカーにも先駆けて開発、搭載し、おかげさまでユーザーの皆様にご支持いただいています。そして、その先に私たちが考えていることは、エージェントとして、「いかにユーザーの琴線に触れるコンテンツをリコメンデーションできるか」ということです。ただ番組表から好きな俳優に関する情報を機械的に拾うのではなく、検索語からユーザー個人の嗜好を反映し、検索結果に活かしていくような自己学習型のシステムを創っていくことです。それが、デジタル放送時代のユーザーニーズに応える<エージェント機能>だと考えています。「スゴ録」に搭載されている<おすすめ録画機能>は、まさにそれを実現する機能です。

―時代が変わっても、「ユーザーの琴線に触れる」というモノづくりを支えるポリシーは変わらない…ソニーさんらしいですね。

そうですね。私たちは、「ものを持つ歓び」が、人間が生きるうえでの「豊かさ」のひとつだと考えています。テレビ番組というコンテンツがある。それを見たい視聴者がいる。その両者を結ぶ<エージェント機能>として、御社が提供するGガイドがある。それは<メタ視聴>という新しい視聴体験を生み出すエンジンとなり、テレビに対する視聴態度を大きく変えていくでしょう。でも、そのときはやはり、受信機や録画機といった「モノ」に対して「こだわりたい」「いいモノを持ちたい」という衝動は、本質的に変わらないはずです。私どもでは、放送と通信の連携という現象を、それが視聴者というレイヤーで考えています。たとえば、Gガイドのようなコンテンツサービスが登場したとき、それを最もユーザーの琴線に触れるカタチで送るためのハード側のインターフェースを考えるのが、私たちの使命です。これからの「スゴ録」の進化もその方向性の上にあるわけで、「おまかせ・まる録」のような機能をどこまで完成度を高めていけるかが、私たちの大きな課題だと思っています。

―本日は、いい話をありがとうございました。とても刺激になりました。

こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。

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