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2007.August | vol.52

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TVをもっと面白くするために。

ソネットエンタテインメント株式会社
取締役 執行役員

会田 容弘 さん

規模、サービス内容ともに多種多様なインターネットサービスプロバイダ。料金プラン含め基本サービスの質が均一化しつつある現在、それぞれがオリジナリティを出していかないといけない時代へ突入した。そこで、今月のインタビューテーマは、インターネットサービスプロバイダにとって、放送と通信の連携はどのような意味をもっているのか、について。「テレビ王国」はじめTV番組コンテンツに力を入れ、また弊社のサービス『Gガイド』に対してもアライアンスを積極的に検討いただいているソネットエンタテインメント (So-net)様に、お話をうかがってみました。

―プロバイダが混在する現在、So-netとしては、どのよ うな点を差別化のポイントとしてユーザに訴えていこう としているのでしょうか?

答は明快でして、ソニーグループの一員として、「エンタテイ ンメント」をお届けすることが私たちの使命であると考えています。エンタテインメントとは、人々に「楽しみ」を与え、そ の結果、生活や人生に「感動」をもたらすものです。このことを追求してきたメーカーがソニーであり、そこが、白物家電 メーカーとの最大の違いです。ですから、私たちは、「人々にエンタテインメントをお届けする、インターネットサービス 部門担当」なのです。昨年、社名を「ソネットエンタテインメント株式会社」と変えたのも、ひとつには、それを明確にする という意図があります。

―現在、So-netがテレビコンテンツに力を入れている のも、エンタテインメントに特化していきたいという意図、 そして、テレビや録画機器のメーカーであるソニーのグ ループ企業であるということが大きいわけですね?

「エンタテインメント」という点ではおっしゃるとおりですが、 必ずしも、ソニーがテレビや録画機器のメーカーだからテレビコンテンツに力を入れているというわけではありません。 もちろん『テレビ王国』にある録画予約機能などはハードと連動したサービスですが、ネットビジネスの場合、ハードビ ジネスに比べて、よりユーザオリエンテッドに考えていかないといけません。So-netは、『Web2.0 Salon』というウェブサ ービス用のオープンスペースを開設していて、その中に『Blog Keyword Visualizer(ブログキーワードビジュアライザー)』 というサービスがあります。ブログの中でどういうことが話題になっているのかをビジュアル化するというサービスな のですが、そこでランキング上位にあがってくるものの多くが、「テレビ」に関することなのです。オンラインの世界でト ップ項目にあがってくるコンテンツがオフラインのコンテンツである、という事実は、興味深いことです。それだけ「テ レビ」というコンテンツが奥ゆきの深いものであるということ。だから、私たちはテレビコンテンツに注目しているのです。

―テレビコンテンツに力を入れたことによって、御社が 掲げる「トップニッチ戦略」がよくドライブされているよ うに思います。それは、やはり、ソニー遺伝子の寄与する ところが大きいのではないでしょうか?

そうだと思います。たとえば、『テレビ王国』の録画予約機能は、 毎月800万件ものトランザクションがあるのですが、ハードとの連携なしには語れません。確かに、一度利用すると「圧倒 的に便利」なので、コンシューマのハートを掴むことができているのだと思います。また、『テレビ王国』の特徴的なサー ビスのひとつに利用者の特性を学習してその人の嗜好にあ った番組を推薦する「レコメンド」があり ます。これは『Voyager Engine』という国内 インターネットEPG としては初の本格的 レコメンデーションエンジンを独自開発 し、提供しているの ですが、ソニーの技術とSo-netがもつリッチなユーザデータとが融合してはじめて可能になるサービスです。

―結果、ユーザにとっては「TVがもっと面白くなる」わ けですよね。その点、私たちが提供する『Gガイド』が求 めている結果と、まったく同じです。

だからこそ、私たちは御社(IPG)と積極的に提携していきた いと考えているわけです。手法は違うだけで目指している方向は同じである、と。これからの時代、ユーザに選ばれないも のは淘汰されていく、ユーザの心を動かしてはじめて「価値あるもの」といえる、そういう時代です。「テレビの視聴体験 を豊かにする」ことを使命として掲げている御社も、そこに異論はないのだと思います。いろいろなチャレンジはあると 思いますが、一緒に「テレビをもっと面白く」していきたいと 思っています。

―ありがとうございます。私たちも期待に沿えるように 頑張ります。せっかくですので、私たちに期待することや、 注文などありましたら、今ここで忌憚なくおっしゃってく ださい。

本当に「忌憚なく」申し上げていいのですね(笑)。…大きく2 つほどあります。ひとつは、もちろん現段階では難しいのは承知ですが、<過去ログ>を盛り上げてほしいです。限定的 であってもいいので。なぜなら、<過去ログ>は、確実に「TVをもっと面白く」し、かつ「次の視聴を盛り上げる」ことに 寄与するはずですから。放送局との調整が必要でしょうが、合意点を見出しながら、御社と弊社と協働で進めていきたい ことのひとつです。もうひとつは、<番組表の多様化>です。現在は、スタンダード番組表のみですが、将来的には、「人気 番組表」とか、あるターゲットに特化した「レコメンド番組表」とか、究極的には「マイ番組表」といった様々な番組表を、御 社と協働で作っていけたらと考えています。これが実現できれば、番組表というものが、単なる「情報ツール」ではなく「ユ ーザの心を動かすコンテンツ」に進化するはずです。 

―貴重なお話、ありがとうございました。私たちも思いは 同じですので、今後もパートナーとしてよろしくお願い いたします。

こちらこそ、よろしくお願いいたします。

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