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2009.January | vol.69

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テレビとインターネットの「相互送客」を進めよう。

株式会社電通 インタラクティブ・メディア局
インターネット・メディア部長

植村祐嗣さん

景気の影響も大きく、テレビCMの売り上げが落ち込んでいる。いままで、テレビとネットは、対立関係にあるメディアとしてしばしば語られ、テレビのコンテンツがなかなかインターネットに流通しないのは日本特有の状況でもある。しかし、生活者にとっては、テレビもインターネットも、現代の生活に不可欠なメディアである。したがって、広告という観点で見れば、この2つのメディアを対立関係で考えるのではなく、相互に連携し合う関係で捉えた方がよい。テレビとインターネット―この2つのメディアがお互いに「幸せな」関係を築くためには、どんなきっかけづくりが必要なのか。株式会社電通インタラクティブ・メディア局 植村祐嗣さんの話をリポートしてみました。聞き手・文/横江史義

―インターネットはテレビの敵なのか。

ときどき、「テレビの広告の売り上げが落ち込んだ一因は、広告費がインターネットに流れたことにある」と考える方がいらっしゃいますが違います。ネット広告に、もしかしたら紙媒体の接触時間や広告費の一部が移行して来たかもしれませんが、テレビへの影響はそれほどなかったはずです。ネットの総PVや媒体接触時間はすでに飽和の状態で、もはやテレビとの関係は「敵」ではなく均衡関係に至っているのではないかと思います。昨今では、テレビの接触時間は下げ止まっている様子もあり、電子番組表等の付加コンテンツの充実や、ネットやモバイルによってテレビ関連情報が共有されていることも要因と考えられます。テレビ業界関係者こそ、テレビという媒体のメディア価値を再評価するべきです。

―コミュニケーションの質、役割が違う。

これはデータでも明らかなことですが、認知やリーチや「出た感」という点において、ネット広告は、テレビCMのインパクトには及びません。また、事実プライムタイムにおけるネットのPVは、ブログもSNSも検索も、テレビ発信のネタと話題に溢れています。つまり、情報を世の中に「スピーディ」且つ「インパクト」をもって伝達するメディアとしては依然テレビが圧倒的な力をもっており、その後それをじわじわと「浸透」させ「話題化」させていくメディアとしてネットが有効ということです。したがって、この2つのメディアがそれぞれの特性を活かしうまく連携すれば、相乗的なコミュニケーションが生まれるはずです。

―テレビとモバイル(携帯電話)との親和性。

テレビの場合、とりわけモバイルとの相性がとても良いと思います。データを見るまでもなく「PCとテレビを同時利用」よりも「ケータイを片手にテレビ視聴」というコンタクトポイントのほうが人数・時間ともに圧倒的に大きいです。また、テレビ番組やCMの情報をモバイルで検索したり、テレビを見た後にその番組について友達とコミュニティサイトでやりとりしたり…といったように、モバイルとテレビは高い親和性があります。特に、若者と女性にとってその傾向は大きいので、彼ら彼女らをターゲットしたコミュニケーションには、この2メディアを上手に連携させていくべきです。

―テレビ番組情報は、ネット上に積極的に発信されるべき。

テレビ番組の情報やコンテンツをネットに流通させたら、ますますテレビの視聴時間が食われると考える方がいらっしゃいますが、むしろ逆です。上で述べましたように、テレビ視聴は、オンラインメディアと上手く連携することで、さらに盛り上げることができるはず。たとえば、ネットは既に視聴している番組についての関連情報や話題を受発信することでより番組を深く味わい継続視聴を促すことが出来ますし、逆にこれまで知らなかった番組に出会うきっかけを与えることも出来ます。これらは従来テレビ雑誌などの役割だったのかもしれませんが、テレビとネットが自らの既存客を囲い込もうとするのではなく、リソースをオープンし相互に送客し合えば、両者のメディア価値は相乗的に向上していくはずです。

―先人から学ぶこと。

日本でラジオ放送が始まってからわずか数ヵ月後の1925年11月、読売新聞紙面に「よみうりラジオ版」というコーナーが始まりました。今の「ラテ欄」の走りであり、これを始めたのが読売新聞社長だった正力松太郎氏(その後、初代民放連会長)。当時もきっと、「新聞の読者を奪うラジオの情報など載せられるか」との議論があったに違いありません。しかし、その後のラテ欄の隆盛とテレビ視聴の関係をみれば、その相互送客効果は明らかです。時代を超えていま、同じことがテレビとネットで起きつつあるわけで、これまで放送局が新聞やラジオに提供していた以上の番組関連情報をIPG経由でネットやモバイルに積極的に提供することが、両メディアのさらなる発展につながると考えています。(2009年1月23日 電通ホールでの講演より)

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