• シェイク!Vol.14 「今」(5)<br>竹中 功(株式会社モダン・ボーイズCOO)×野村 和生(フジテレビ)×谷口 マサト(LINE)

シェイク!Vol.14 「今」(5)
竹中 功(株式会社モダン・ボーイズCOO)×野村 和生(フジテレビ)×谷口 マサト(LINE)

異なる業種で活躍する3人がそれぞれの視点で語り合い、新たな価値観を生み出すヒントを見つけるトークセッション「シェイク!」。最終回は、テレビというコンテンツの強みがどこなのかを三人で議論。そこで出た答えとは?

テレビがどこにも負けへんところはどこやねん

竹中

Amazonプライムだろうが、AbemaTVだろうが、もうみんなテレビと区別せずに同じように見てますよ。だからこそ、もう一回見直してほしいなーと思っててね。テレビがどこにも負けへんところはどこやねん。

野村

AbemaTVさんは『72時間ホンネテレビ』でたくさんテロップ入れてましたけど、うちは生でやる番組にテロップ入れないんですよ。大変だからっていうのもあるんですけど、画作りに集中して作ってるんですよね。面白い画を撮ること。それが、テレビのプロの役目であり、原点じゃないか。テロップや効果音がなくても成立するような画を撮れなかったら、YouTuberと大差ない。

竹中

テレビの特徴のひとつは、やっぱり生です。スポーツの生中継やニュースは誰にも負けたらあかん。

野村

生でやるからこそ、ときおり起こるハプニングが面白くなる。制作陣の腕の見せ所です。生はごまかしが効かないですからね。

谷口

生で面白いなあと思うのは、今、女子中学生や高校生がグループで繋ぎっぱなしなんですね。LINEのビデオ通話で、4人くらいのグループで。家帰っても繋ぎっぱなしでテスト勉強してたり寝てたり。で、朝になって「学校行くから切るねー」っていう。あれってコンテンツに使えないかなって考えています。

野村

これはディレクターのいちばんの役得だと思うんですけど、オフラインっていう、荒く編集した段階のものを見るのがいちばん面白いんですよ。

谷口

なぜですか?

野村

面白いシーンにはその前段階で必ずストーリーがあるんです。ところがストーリーが尺に合わないからって削られちゃうんですよね。

谷口

伏線がなくなってしまうと。

野村

そう。伏線を削って面白いところだけ繋げてもダメなんですよ。十分な尺を使ってひとつのストーリーを丁寧に追うことは大事です。

谷口

FODのオリジナルコンテンツは、尺は決まってるんですか?

野村

自由です。後日再編集して地上波で放送できるように、30分、60分という目安はあります。

谷口

今、ドラマの尺を段階的に増やしていけないかって提案してるんです。ネットでは短いものしか見てもらえないので。まずは3分見てもらい、次は5分、で、はまってきたら10分見てよと。どんどん尺を伸ばしてトータルで1本の映画になる、みたいな。

竹中

ほらー、えらい黒船来てまっせー。

野村

脅威ですねー。

谷口

いやいや(笑)。

竹中

あのね、ぼくらみたいな年寄りがちゃんとネットを使えるようになったらお客さん増えますよ。友達が「TVerってテレビ見れるの? おれのスマホ見れへん」ゆうから、「いやいや見れんねん」って家まで行って教えなあかん。そんなんばっかしやで。そこが改善されてお年寄りの視聴者が増えたらチャンスですよ。

野村

高齢者にどうやったら届くのかは今すごく悩んでいて。高齢者向けのコンテンツも集めてるんですよ。『鬼平犯科帳』も配信しています。高齢者が見てもらえる環境になったときに見たいものがあるようにと、ドキュメンタリーも集めています。

谷口

シニアしか出ない『ねるとん紅鯨団』見たいなあ。最後の恋っていう(笑)。

竹中

鬼平も見たいけどセックスも好きなんですよ。昔と比べたらだいぶ若いですよ、ぼくらの年代。時間ですから質疑応答に入りましょうか。

客席 A

北海道文化放送と申します。テレビには「裏かぶり」という問題がありますよね。我々はローカルで吉本のタレントさんを使ってバラエティをやっています。ときどきスペシャルをやるときに違う曜日にかけると「裏かぶり」の問題が出てくるんですね。ネットではどうなんでしょうか。

谷口

芸能事務所のルールってテレビを基準にされてるので、ウェブとは合ってないんですよね。キャスティングをするときに困るのはそこです。アーカイブにしたいのに3ヶ月で消せって言われます。延ばすんだったらえんえんお金を取られる。ウェブに対応した事務所を熱望してます。

野村

めちゃユルは地上波との裏かぶりを配慮せざるをえなかったですね。テレビ局がやっているメディアだし、ノーギャラなんで。

谷口

そうそう文化放送さん、JKの動画をテレビで流してくださってありがとうございました。私が制作を担当したJKの動画を取り上げて頂いたんです。あれ面白かったです。重鎮のアナウンサーがJK用語でニュースを読み上げる。ネットで話題になりました。

野村

あー見ました見ました。

客席 A

現場を担当している人間が、テレビ業界出身ではなく、中途でウェブ系から来た人間なんです。さっきおっしゃったような新しい化学反応が起こったのではないでしょうか。

谷口

あ、そうなんですね。確かに、ネット的な作り方をされてるなーと思ってました。

竹中

やっぱりウェブは敵ではないんですよ。そうやって組み合ったときにええもんもいっぱいある。

谷口

そうですよね。テレビ局の方の制作能力ってピカイチですから。それをネットの環境でどう活かしていくか、お互い歩み寄って相談している段階だと思います。

野村

そうですね。

谷口

いやー、フジテレビとライブドアのときはまさかねえ(笑)。

竹中

和解することになるとはねえ。って別にこの二人喧嘩してへんけど(笑)。というわけで、今年最後のシェイク、第14回終わりになります。ありがとうございました。

[ 完 ]

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