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2007.April | vol.48

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成功する新しいメディアは、こうして生まれた。

株式会社リクルート
事業開発室 R25  R25式モバイル L25 L25mobile 編集長

藤井 大輔 さん

ここ数年、「フリーマガジン」なるメディアの価値は飛躍的に向上し、市場の急速な伸びとともに、インターネット以来の<新しいメディアの登場>とさえ言われます。発行数、コンテンツ影響力とともに<マスメディア>としてのポジションを確実に築きつつあるフリーマガジンですが、一方で、市場が成熟してきたぶん、成功誌と失敗誌に二分されつつあることも確かです。このフリーマガジン市場の牽引者である『R25』。先日3月29日発行号から週刊化した『L25』と合わせると、発行部数は首都圏だけでおよそ100万部。その成功を支えたものは何だったのか。編集長の藤井大輔さんにうかがってみました。

-M1、F1をターゲットとした雑誌は、世の中に大量に存在しますが、編集における『R25』『L25』のオリジナリティとはどんなところですか?

ひと言で申し上げれば、「広くて浅い」ということでしょうね。雑誌というのは、たいてい「狭くて深い」方向へどんどん入っていくものなのです。私が『ダ・ヴィンチ』の編集をやっていた時期に感じたことなのですが、号を重ねるごとに「ファンの人たちがもっと喜ぶコンテンツを!」と編集にどんどん気合が入っていき、中身がどんどん“濃い”ものになっていく。そうすると、よりコアなファンに支持されるものになっていく一方、読者のすそ野は拡がっていきません。それで、私が思ったのは、おなかすいている人も、いっぱいの人も、みんながいつでもサラサラと食べられる<おかゆ>みたいなマガジンがあってもいいのではないかって。

-ということは、きっかけは藤井編集長のアイディアであり、それをリクルートという会社が実現させてくれたということなのですか?

いいえ、ちがいます。リクルートには「NEW-RING」という新規事業コンテストが毎年ありまして、そこで、「紙メディアのポータルサイトを作ってみてはどうか」というアイディアが出て、それが基になって『R25』が生まれました。そもそも、リクルートが発行する雑誌は、<行動支援>がミッションです。 “AISAS”で言えば、リクルートの雑誌はたいていActionの方に位置するものがほとんどでして、その意味では、『R25』『L25』は少し異色といえます。

-『R25』や『L25』がここまで大ブレークすると、思っていましたか?

全然(笑)。私自身、「どうかなぁ…」と思っていましたし、実際、最初の頃は周りからもかなり心配されていました。ただ、事前にかなり徹底した定量調査、定性調査を行いましたので、ターゲットのプロフィールは、わりと“リアルに”つかむことはできていたと思います。

-“リアルに”とは、具体的にどういうことですか。

たとえば、『R25』のメインターゲットは、30歳前後のビジネスマンなわけですが、彼らの「実態」を把握するには、平均年収がどのくらいで、結婚率はどのくらいで…といった一般的な数値をいくら並べてみても見えてきません。たとえば、日経新聞をどのくらい読んでいるか-数字だけ見ると、結構みんな読んでいます。30歳前後のビジネスマンですから、当然でしょうね。では、日経新聞を本当に“咀嚼”して“理解”して読んでいる人がどれくらいいるか…これは、定性調査で探っていくしかありません。すると、あることがわかってきます。この世代の多くの人は、日経新聞を読んではいるが、実際「ハードルが高いなぁ」と感じており、その一方で「ハードルが高いと思ってしまう自分が情けない」とも思っており、日々何となく“知ったかぶり”をしながら生活している、という実態がわかってきます。それなら、“知ったかぶり”しないで済むようなマガジンをつくろう…そんなふうにして、『R25』が出来上がりました。なので、『R25』の記事は「“知っている”と“知らない”の間の情報」ということにこだわっているわけです。

-ターゲットが深層で抱えている感情的な部分まで洞察することが、重要なわけですね。

そのとおりだと思います。「本質を探る」ということですね。いま、世の中は情報で溢れているわけで、その情報をどう整理、加工してあげれば、それぞれの人の生活や人生に役に立つのか。それを考えカタチにするのが、今の時代の“編集”という仕事に求められている新たな使命だと思います。ただ、一方で、いまの日本は、「新しいことを始めやすい」ラッキーな時代でもありますよね。既存の商慣習がどんどん崩れていって、むしろ、過去の成功例にならってやるとたいてい失敗する時代じゃないですか(笑)。だから、ものごとの本質さえきちんと捉えれば、新しいことをどんどんやっていけるチャンスに満ちた時代ではないでしょうか。

-最後に、私たちが提供する『Gガイド』に対して、ヒットメディアメーカーである藤井編集長からアドバイスをいただきたいのですが。

僕も日々使ってまして、今でも十分便利だと思っているので、アドバイスなんかありませんよ(笑)。僭越ながらあえて言うとすれば、いまはまだ、自分が見たい番組をピックアップする便利な“ツール”の域を出ていませんが、これが“メディア”になったら、とてつもないチカラを持つものになるでしょうね。『Gガイド』を通じて、「自分が見たいと思っていなかった番組をも見てしまう」ようになったとき、おそらく“ツール”から “メディア”になるのではないでしょうか。

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